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ChatGPTのdeep research機能がやばい

  • 執筆者の写真: いまだ金時ブログ主
    いまだ金時ブログ主
  • 3月25日
  • 読了時間: 6分

先日、インドで開催される国際医学学会に参加する準備をしていました。久しぶりの海外学会で、準備を進める中で インド渡航にはビザが必要 という現実に直面しました。


学会参加に「会議ビザ」か「観光ビザ」か?

インドに入国するには目的に応じたビザを取得しなければなりません。このとき頭を悩ませたのが、ビザの種類です。インドには「会議ビザ(Conference Visa)」というものがあり、学会や公式な会議に参加する際にはこれを取得するのが原則のようです。一方で、短期の滞在であれば「観光ビザ(Tourist Visa)」でも行けてしまうのでは?とも考えました。

正直、どちらを選ぶべきか迷いました。会議ビザは公式な学会参加向けですが、申請に手間がかかりそうです。観光ビザならオンラインで簡単に取れそうですが、「本当は学会目的なのに観光ビザで入国して大丈夫なのだろうか?」という不安がよぎります。万一入国審査で目的を聞かれて「学会です」と答えたら、「それなら会議ビザが必要でしょう」とトラブルになる可能性もあります。


ChatGPTでビザ情報を徹底リサーチ

悩んだ末に、私はChatGPTのdeep research機能を使ってみることにしました。最近話題のAIですが、ただの雑談だけでなく、詳細なリサーチにも使えると耳にしていたからです。早速「インドの医学学会に参加するには会議ビザと観光ビザのどちらが適切か?」と質問してみました。

するとChatGPTは想像以上に丁寧で詳細な回答を返してくれました。その内容は多角的で、まるで経験豊富な旅行代理店か在外公館の職員に相談したかのようでした。例えば、次のようなポイントまで網羅されていたのです。

  • 取得条件: 会議ビザを申請するためにはインド政府公認の会議であることや招待状が必要であること、観光ビザは純粋な観光・私的目的に限られることなど、それぞれのビザ取得条件の違い。

  • リスク: 観光ビザで入国し学会に出席した場合、入国審査で目的を問われた際にトラブルになる可能性があること。最悪の場合、入国を拒否されたり罰則を受けるリスクもあるという指摘。

  • 必要書類: 会議ビザ申請に必要な招待状や所属機関からの推薦状、旅程の詳細などの書類リスト。観光ビザの場合にオンラインで提出する情報や写真規定など。

  • 過去のトラブル事例: 実際に過去、学会に観光ビザで参加しようとして空港で足止めを食らった人のエピソードや、逆に会議ビザ取得が間に合わず苦労した例など。

  • 実際の推奨ケース: 「学会目的で渡航するなら、公式には会議ビザを強く推奨。ただし短期間の観光を兼ねるのであれば観光ビザで訪れ、学会については口外しないというケースもある」 といった実情に踏み込んだアドバイス。

この回答を読んで、私は思わず「そこまで知っているのか!」と声が出そうになりました。自分で外務省や大使館のサイトを調べたり、経験者のブログ記事を探したりすれば数時間はかかりそうな情報が、わずか数十秒でずらりと提示されたのです。ChatGPTの説明は論理的で分かりやすく、しかも抜け漏れがありませんでした。私は半信半疑でいくつか公式情報を照らし合わせてみましたが、記載されていた内容はほぼ正確で、自分の判断の大きな助けになりました。


専門家並み?ChatGPTの医療知識とリサーチ力

この体験を通じて、私は改めてChatGPTの底力を実感しました。たかがビザの質問と思っていたのに、返ってきた回答は専門家顔負けです。実は最近、ChatGPTのような大規模AIが米国医師国家試験(USMLE)に合格できるレベルに達しているというニュースを耳にしました。USMLEといえば、医学部卒業直後の医師が受ける試験で、その範囲は基礎医学から臨床まで非常に広範です。それをAIが突破できるというのですから驚きですよね。

今回のビザの件もそうですが、ChatGPTは医学知識だけでなく、関連情報のリサーチ力も相当なものです。医学の文献検索やガイドラインの要点整理など、人間の私たちが時間をかけて行う作業を、AIは短時間でやってのけます。まるで博識な後輩医師や事務スタッフが自分の代わりに下調べをしてくれているような感覚です。

もちろん、AIの回答が常に完璧とは限りません。医療においても情報の最新版でなかったり、文脈を誤解してトンチンカンな答えが返ってくることもあります。ですから、最終判断は人間である私たち医師が責任を持って行う必要があります。しかし少なくとも、膨大な知識を持ち素早くリサーチできる存在が身近にあるというのは、非常に心強いと感じました。


物理や法律も?広がるAIの回答レベル

このようなAIの高い能力は、何も医学分野だけに留まりません。物理学・数学・法律など、他の専門分野でも同様にAIが高度な回答を出せるようになりつつあります。例えば、物理学の難問を解いたり、法律の条文解釈や判例の分析を行ったりといったことも、AIが支援できる未来が見えてきています。実際、アメリカでは法曹資格試験(バー試験)に合格するAIの話題や、大学の数学競技の問題を解いてみせるAIの報告など、枚挙にいとまがありません。

少し前まで、「AIが博士号レベルの回答を出す」なんてSFのような話だと思われていました。しかしここ1〜2年の進歩を見ると、その未来は急速に現実味を帯びてきていると感じます。私たち医師が専門分野の講演を聴いて勉強するように、AIも膨大なデータから自ら学習し、的確なアウトプットを返せるようになってきています。


インターネット以来の革命にどう向き合うか

AIの進化は、過去50年の歴史を振り返っても「インターネットの登場」に匹敵するほどの大きなブレークスルーではないか?と感じます。インターネットが普及し始めた頃、情報収集やコミュニケーションのあり方が一変しました。医師の世界でも、文献検索が紙の索引からオンラインデータベースに移行したり、遠隔地の専門家とメールで連絡を取れるようになったりと、仕事の風景が大きく変わりました。それと同じかそれ以上に、AIはこれからの私たちの仕事の仕方を変えていく可能性があります。

では、医師としてこのAIの波にどう向き合うべきでしょうか?おそらく鍵となるのは、積極的に活用しつつも冷静な目で評価することだと思います。AIを使えば最新のエビデンスやガイドラインを素早く参照できますし、診断の過程で見落としがちな鑑別診断のヒントを得られるかもしれません。一方で、AIの出した答えをうのみにせず、妥当性や倫理面を人間がチェックするプロセスは不可欠です。

私自身、今回のビザ情報リサーチでChatGPTに救われたことで、AIを上手に利用することの価値を実感しました。同時に、「AI任せ」に陥らず、自分の頭で判断するバランス感覚も大事だと再認識しています。インターネットがそうであったように、AIもまた諸刃の剣です。しかし、この強力なツールと共存し、活用していくことができれば、私たち医師の仕事はより効率的に、そしてより創造的になっていくのではないでしょうか。


おわりに

技術は日進月歩で進化しています。ChatGPTとの出会いは、医師である私にとって、新しい時代の幕開けを感じさせる出来事でした。これからも好奇心を持って新しいツールに触れつつ、自分の専門性とのシナジーを模索していきたいと思います。AI時代の医師として、皆さんもぜひこの波に乗り遅れず、しかし振り回されることなく、うまく付き合っていきましょう。



 
 
 

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